脳内☆うらしまたろう 完結編

ぐつぐつぐつぐつ・・
鍋の中から聞こえてくる沸騰音が徐々に大きくなっていく。
 「は!すげぇいいこと思いついた!
 タートルの茹で汁をダシにして、味噌汁を作ったら売れるんじゃねぇか?
 そうとも、成分解析してみたらダイエット効果とかあったりして
 メス豚どもが買い漁りに来るに違いねぇ ヒャーーッハハハハ!」
うらしまくん はそんな事をブツブツ言っていた。


一方の、亀さんは何も呟かなくなっていた。
見た目にも、衰弱しきっているように感じられる。
しかし、意識はまだある。
亀さんは、つい先ほどから、おもいつきで思考回路を変えてみた。
 ”この苦しみを求めつづけたら、どうだろう”
そんな事を考えていると、脳内で何かの境界線を超えようとしているのを感じた。
水温が上昇するにつれ、その感覚は確信に変わっていく。
 ”あー、これ、漫画で読んだ事あるぞ、 確か・・・”
そして、そのときは来る。


次の瞬間、うらしまくんの視界は真っ暗になった。
うらしまくんは自らの事業計画に夢中で 一体なにが起きたのかさっぱり。
端から見ると、亀の甲羅部分ががうらしまくんの顔面にめり込んでいる。
とりあえず、鼻骨がぐしゃぐしゃになってそうだ。
 「こ、この野郎・・ッ ぶっ殺し」
何かセリフが聞こえますが、亀さんは聞こえてませんと言わんばかりに、
うらしまくんの顔面に甲羅がめり込んだ状態から、時計回りに回転を始めました。
回転はみるみる速くなり、うらしまくんの顔から嫌な音と悲鳴が聞こえます。


こうして、何か覚醒したらしい亀くんは うらしまくん をこらしめました。
みんなも エンドルフィンで元気になろう!


おしまい